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映画 『ラヴレース』性暴力を耐え抜いた、70年代のポルノスター

ひょんなことから1972年に公開され、
カルト的人気を博したポルノ映画『ディープ・スロート』の存在を知った。

そしてその映画の主演をつとめた
リンダ・ボアマンの自伝的映画『ラヴレース』がアマプラにて配信されていたので初見。


【 物語の主な流れ 】

21歳のリンダ〈アマンダ・セイフライド〉はカトリックの厳格な家庭で育ち
一度若くして妊娠・出産・里子に出した経験もあり、
両親〈ロバート・パトリックシャロン・ストーン〉からは門限23時と厳しく言い渡されてる生活を送っていた。

そんな彼女の前に現れたのがバーを経営しながらスカウトマンをしていた、
のちに夫・ビジネスパートナーになるチャック〈ピーター・サースガード〉。

両親の言いつけを守ってきたリンダは
自由でユーモアのあるやさしいチャックに惹かれ
すぐ家を出て共に生活を始めるのだが、
お金に困る生活だったことで軋轢が生じ始めていた。

そんな中チャックは映画制作関係者の友人に
リンダがチャックに教え込まれたディープスロートをするハメ撮り映像を見せたところ、
彼女を主役にポルノ映画を制作すれば大金が入るということで盛り上がる。

そうした流れで喉の奥にクリトリスを有する女性が主役のコメディ要素も含んだ『ディープ・スロート』が出来上がり、
当時として過激な性描写に賛否両論巻き起こしながら大ヒットを記録、
リンダは芸名 リンダ・ラヴレース として一躍ポルノスターに。


だが私生活では借金がかさんで首が回らなくなったチャックは
コカインに手を出しながらリンダを支配して、
夫婦間の激しい性暴力で服従させるようになっていた。
お金のためならなりふり構わずリンダを映画関係者に差し出し、複数人にレイプされたり…


【 レビュー 】

この『ラヴレース』を観る前、
ディープ・スロート』のストーリーを読んで喉の奥にクリトリスがある女性という設定が突飛すぎて笑ってしまったけれど、 
リンダの苦悩をたっぷりと知った今は
もう軽々しく観てみたいと思えなくなった。

まあ若気の至りで出演したポルノ映画で70年代の時の人となったことと引き換えに
性暴力で体も心もボロボロになって
一時期 厳格な両親からも見放されていた
(それは母親の生き方と愛ゆえのことだったと後に和解)
そんなリンダを自業自得と言うには
あまりに業界で酷い仕打ちを受けていたと感じた。

その後リンダは業界から足を洗い
なんとかチャックの支配から逃れて
結婚して子どもを持つ普通の主婦になったのは良かったし、
ようやく過去の傷と向き合って
本にして告白したのもきっと賛否両論あっただろうに
勇気あることだなと思った。

そして最後、2002年にリンダは事故で他界
程なくしてチャックも突発性の病気で他界していたと知り、再びズーンとした気持ちに襲われた。


最初は喉の奥にクリトリスを持つ女性のポルノ映画って突飛すぎておもろ、
昔の人の発想ヤバいな〜って思っていたけど
70年代の業界の暗部や
夫婦間の性暴力からの抜け出せなさがバックグラウンドとしてあったとは全く想像してなかった。

出演者の芝居が胸に迫り、
なかなか衝撃的な実話映画でした。

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