
2012年、向田邦子の4つの短編小説を
WOWOWシナリオ大賞の受賞者らがオリジナルストーリーとしてリメイクしたというドラマをご紹介
嫉妬、不倫、同性愛、主婦のゆらぎ…
そこら中に棘があるような、
官能的で、ほろ苦さ漂う4作すべての視聴を終えたので
それぞれ感想を綴っていく
【 1.隣の女 】
主婦のサチ子は、マンションの隣室にひとりで住む峰子を無理心中から救い出す。美術ギャラリーを経営する峰子が暮らしている部屋は、パトロンに用意されたもの。サチ子は以前から峰子と親しくしていたが、複数の男と遊び、好きな仕事を楽しんでいる峰子の生き方に、ひそかに強いねたみを感じてもいた。やがて、サチ子の中に、禁断の欲望が湧き上がってくる…。
主婦のサチ子→寺島しのぶ
サチ子の夫→二階堂智
峰子→坂井真紀
麻田→北村有起哉
他
穏やかな夫を持つ平凡な主婦と
ぱっと見 華やかで充実した人生を送る女の物語
サチ子の内包された嫉妬心と欲望が
徐々に剥き出しになっていく過程がエロティックだった
嫉妬される側もまた複雑な思いを抱えている点、
傍から見てキラキラして見えようと
当事者からしたら満たされているとは限らないのかなと思ったり…
〈 キャストについて 〉
寺島しのぶさんのそこら辺にいそうな主婦感がよかった
北村有起哉さん演じる日本画家の麻田、
声とキスの色気すごかった…
ゆるやかなクズ感がたまらなくよかった
二階堂智さん演じる夫のやさしさが素敵だったなぁ
サチ子はホント感謝すべきだと思う
峰子のあのプレイ姿はなかなか衝撃的、
坂井真紀さんNGなし感すげぇ
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【 2.きんぎょの夢 】
小さなイタリアンレストランを持つシェフの砂子は、家庭のある殿村と不倫関係にあった。自分のことを愛し、離婚を約束してくれている殿村と幸せな時間を過ごす砂子。だが殿村は、妻のみつ子にはまだ離婚のことを言い出せないでいた。そんな中、砂子の店にみつ子から、ひとりで来店するという予約の電話が入る…。
砂子→中越典子
殿村→田中哲司
みつ子→富田靖子
他
不倫をする側とされる側、
二人の女性を泣かせる男のクズさをじっくり目の当たりにした感覚
やはり不倫なんてするもんじゃないんだなと思ったし
人様の大事な存在を奪って得た幸せや快楽なんて美しくないな、過ぎ去ったらただ虚しいだけなのかなって
でも夫婦仲が冷めてどうしようもない状態もなかなかキツそうだったし、
すべての男性や女性がそうとは限らないけど
甘えたい、癒やされたい、触れ合いたいという欲求が性欲と絡み合って不倫しちゃうのかなとも思った
〈 キャストについて 〉
てかもうほんと田中哲司さん、こういう役ぴったすぎて好き
語弊があるかもだけど
めちゃめちゃイケメンじゃないからこそのリアル感というか、
なびいてしまいそうになる絶妙な雰囲気を持たれていると思ってる、危険
あと中越典子さん演じる砂子が
積極的に殿村にキスをするシーンもだけど
あのさりげない頭ポンポンもヤバかったし、
店でオレキエッテ(耳たぶパスタ)を二人で作りながら誘うシーンは店で何やってんねんって感じだったけど
あれはベッドシーンより凄くエロティックだった
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【 3.三角波 】
結婚を目前に控えた女が、“もうひとりの男”の存在に振り回される。商船会社で働く巻子は、年上の同僚・達夫との結婚を控え、幸せに準備を進めていた。同僚で、達夫の学生時代の後輩でもある波多野に、結婚のことを報告した2人。ところが、ショックを受けた様子の波多野は、巻子に結婚を考え直すよう迫るなど、徐々に行動をエスカレートさせていく。困惑する巻子は、やがて波多野の行動に隠された意味を知る…。
巻子→貫地谷しほり
達夫→小澤征悦
波多野→吉沢悠
他
いわゆる「私のことで争うのはやめて!」な
三角関係とは一味違う物語
もし巻子の立場になったとしたら
結婚するのはやめさせてもらいたいなって思うかも
隠し事をされていたショックで混乱する気がする
〈 キャストについて 〉
貫地谷しほりさんと小澤征悦さん演じる
結婚を控えたカップルのウキウキ感、
そして波多野を演じた吉沢悠さんの
強気なのに壊れそうな繊細なお芝居が印象的だった
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【 4.愛という字 】
大学生の息子が巣立ち、夫と刺激のない日々を過ごす専業主婦の夕子は、携帯電話の取り違えがきっかけでデザイナーの新木と知り合う。病気の疑いがあり死の影におびえる新木に誘われ、後ろめたい気持ちを抱えながらも2人でたびたび会うようになった夕子。日々の倦怠感を破る“彩り”に浮き足立つ中、新木の妻から連絡があり、夕子にある提案をする。
夕子→原田美枝子
夕子の夫→光石研
新木→村上淳
他
長年結婚生活を営んでいると
大なり小なり相手への思いやりを欠くものなのかなと、
まるで家の両親を見ているみたいな物語だった
平凡な主婦、それって結構すごいポジションな気がするけれど
やっぱり人間生きていればある程度の刺激を求める生き物なのかもしれない
そんな刺激に飢えていたタイミングで
おそらく年下のデザイナーとの関係が始まっていくという…
〈 キャストについて 〉
何も情報入れずに観たので、
まさか夫役が光石研さんだと思わなくてテンション爆上がりした
もうかれこれ10年以上推し俳優さんなのに
出演作品膨大すぎて未だにこんなサプライズ的出演情報を知れるのはこれはこれでたのしい
原田美枝子さんは『透明なゆりかご』の婦長役で好きになった
この作品では上品さを醸し出しつつ平凡な主婦が年下デザイナーに溺れていく様がギャップだった
その年下デザイナーを演じた村上淳さん、
掴みどころがなくチャラっとしながらも
自身の問題と向き合う芝居が好きだった
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向田邦子さんの作品を読んだことがないので
どれほど向田さんをリスペクトしているのか分からないけど、
4作とも落ち着いた雰囲気で心地よく
エロティックでピリッとほろ苦いテイストが
とても気に入った