最近お茶目な役のエンケンさんに慣れすぎて
そろそろギラつきまくった役のエンケンさんに
飢え始めていたので、
とりあえずずっと気になっていた『湯けむりスナイパー』を観て気持ちを解消することにした。
かつて殺し屋をしていた男が足を洗い、
次の人生を歩む為に選んだのは秘境の温泉宿だった。
そこでは過去に殺し屋をしていたことは伏せ、
代わりにリストラされて職を失った中年男
"源"を名乗り、日々旅館の仕事に勤しんでいる。
旅館にやってくる様々な客のエピソードや
主に女将・番頭・従業員の由美ちゃんとの人間模様の合間にエロティシズムをふんだんに交えつつ、
元・殺し屋の秘められた心情を丁寧に描いている。
物語のほぼどっかで1回は裸体を晒している女性が出てくる"ドラマ"ってなかなかないと思った。
その上結構がっつりとした濡れ場もあるとは...
さすがテレ東深夜枠。
もちろんそれだけがこの作品の魅力という訳ではなく、
各エピソードの面白さや主演の遠藤憲一さん、脇を固める役者陣、作り手の本気さ全てが絶妙に絡み合っていると感じたのでお気に入りのドラマになった。
あの椿屋・源さんの時の穏やかな眼差しと、
殺し屋時代の眼光の鋭さの対比にゾクゾクする。
頻繁に殺し屋時代の回想が組み込まれているのだが、
むごいことをしているのに銃を構える姿が本当に様になっていてカッコいい。
でも刺殺・絞殺シーンの表情は怖すぎ...。
そんな過去の自分に見切りをつけ、
旅館で働くようになった源さんは
周囲の人々の思いに触れながら
徐々に穏やかな人生を手に入れていく。
回を追うごとに源さんの口癖「ウィッス!」が
明るくなっていく様子は殺し屋だったとは思えないほど。
【好きなキャラクター】
・昔ストリッパーとして活躍していた
カトリーヌ山岸の衝撃ビフォーアフター感が大好き。
初めてアフター前のカトリーヌを目の当たりにした時の源さんのリアクションが最高。
女将さんの引きつった表情も◎。
池谷のぶえさん好きだな~。
・でんでんさん演じる番頭さんが本当にいい人。
人情派でちょっとデリカシーの欠けた典型的なおじさんって感じで、
本当にこういう人いそうだなと思った。
特に「由美のプロフィール」で涙をこらえるも堪えきれない芝居にぐっときた。
・悲惨な過去を持つ由美ちゃんの真っ直ぐなキャラクターが作品の癒し、存在が可愛い。
・長門裕之さん演じるQと虎コンビの醸し出す怪しさが良かった。
【印象に残ったキャラクター】
・1話「恥のかき捨て場」のゆうちゃん。
30年ぶりの感想を源さんにしみじみ語る姿は
深みがあるのか浅いのかという微妙なラインを
行ったり来たりしていてなんとも言えなかった。
・6話「お忍び旅行」で人気俳優役を演じた成志さんにどうしても笑っちゃう。
いい声と情けない声で割りと激しめな濡れ場をしている所がツボ。
それを遠くから見て鼻で笑う源さん...。
・8話「脅迫」で変態教師の一瞬にかける気持ち悪さが凄い。
その後変態を源さんが成敗するシーンはスカッとした。
・10話「椿屋アーリータイムス」に登場する
おそらく何らかの障害をもった椿屋の従業員の男性が強烈だった。
そして暴言を吐きまくる男性に対して
我慢できなくなった女将さんの会心の一撃には笑った。
・物語後半に登場するパフェおやじ、
じゃなくて志賀廣太郎さん演じるエージェントがひたすら渋い。
でも最期が...。
印象に残ったシーンは10話「闇を抱く」の絡みシーン。
安藤玉恵さん演じる仲居の初江が
結婚を期に椿屋を辞める前夜に源さんの部屋へ行って行為を迫るというなんの前置きもない謎展開に驚きつつ、
「恥...かかせないで」という台詞に込められた含みが特に気に入っているし、
その思いに黙って応える源さんがカッコ良くてドキドキした。
この回の全てが大人って感じ。
それにOPとEDの楽曲と映像が激カッコいい。
この作品のカラーにぴったり。
特にOPの「山の音」が最高。まさしく"い~ね"な楽曲。
そして男性が血糊を吐いたところから振り向くエンケンさんの姿・表情が本当にカッコ良すぎて毎回ちゃんと観たくなる。
とても良いドラマだった。